中学校卒業後の進路を、家庭と学校で一緒に考えるためのガイドです
中学校を卒業したあとの学びの場には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴、3年間の進め方、高校などでの支援を読んで、お子さんに合う進路を考える手がかりにしてください。
- 読む:進路の選択肢と、それぞれのちがい。高校での支援、第一希望がかなわなかったときの考え方。
- 3年間の流れ:いつごろ、何をするとよいか。
- わが家の進路ノート:住んでいる地域の入試のしくみ、見学した学校、先生と話したことを、調べながら書きこんでいきます。先生との面談で、一緒に書いてもかまいません。
進学先を決めるのは、お子さんとご家庭です。このガイドは、特定の学校をすすめるものではありません。地域によって制度や日程がちがうところは、「どこで調べられるか」を書いています。
進路の選択肢と、それぞれのちがい
中学校の特別支援学級からも、いろいろな進路があります。同じ種類の学校でも、学校によって学び方や支援の様子はちがいます。気になる学校は、説明会や見学で確かめましょう。
高等学校(全日制)
- 学び方
- 平日の昼間に通い、通常は3年間で卒業します。普通科のほか、農業・工業・商業などの専門の学科や、総合学科があります。
- 支援
- 学校によってちがいます。相談できる先生や部屋、授業での配慮などを、見学で確かめましょう。
- 確かめたいこと
- 学科で実際に何を学ぶか/クラスの人数/通学のしかた/欠席や成績が進級にどう影響するか
高等学校(定時制・通信制)
- 学び方
- 定時制は、昼間や夜間など、1日の授業時間が短めです。通信制は、自宅などで課題(レポート)に取り組み、決められた日に学校で授業(スクーリング)や試験を受けます。登校する日数は学校によって大きくちがいます。
- 支援
- 少人数の学校や、自分のペースで学べる学校もあります。通信制には、学習を手伝う別の施設(サポート校)と組み合わせる例もあり、その場合は費用がかかります。
- 確かめたいこと
- 登校する日数と通学のしかた/卒業までの年数/自分で学習を進めるための手助けがあるか/費用
高等学校での「通級による指導」
- 学び方
- ふだんは高校の通常の学級で学び、一部の時間に、障害による学習や生活のしにくさに合わせた指導を受けるしくみです。高校でもおこなわれるようになりましたが、実施している学校は限られています。
- 確かめたいこと
- 行きたい高校で通級による指導を受けられるか/受けられない場合、ほかにどんな支援があるか
高等支援学校・特別支援学校の高等部
- 学び方
- 障害のある生徒のための学校です。生活や働くことにつながる学習が多く、少人数で学びます。名前や学科は地域によってちがい、働くための専門の学科がある学校もあります。
- 入学
- 入学の選考や、出願の前の相談の手続きがあります。出願できる条件や、選考のしかたは地域によってちがいます。
- 確かめたいこと
- 学科で学ぶこと/卒業後の進路の様子(働く・福祉サービスを使う・進学など)/通学のしかた/出願の条件と手続き
高等専修学校
- 学び方
- 仕事に役立つ専門の技術を学ぶ学校です。学校によって、学ぶ内容、卒業までの年数、卒業後の資格がちがいます。
- 確かめたいこと
- 学ぶ内容と実習/卒業すると得られる資格/費用/支援の様子
「支援学級からは高校に行けない」「高校に行けば将来は安心」といった話を聞くことがあります。どちらも、思いこみのことがあります。どの学校にも、それぞれの学び方と支援があります。お子さんに合うかどうかで考えましょう。
高校などでの支援
- 中学校の特別支援学級のように、少人数で、いつも同じ先生がそばにいる形とはちがうことが多いです。困ったときに自分から相談する場面が増えます。
- 学校には、困っている生徒の相談にのる先生や、ほっとできる部屋がある場合があります。見学のときに、困ったときに誰に相談できるかを聞いてみましょう。
- 高校の先生が入学前に知っておきたいのは、成績だけでなく、お子さんの得意なこと・苦手なこと・してほしい手助けです。中学校から高校へ、学校どうしで引き継ぐしくみもあります。
- 通学(乗りかえ・時間)、お金の管理、生活のリズムなど、学校の外の生活も、高校生活を続けるうえで大切です。
入試での配慮
公立高校の入試では、障害などがある受験生に、試験のときの配慮(別の部屋で受ける、時間をのばす、問題の文字を大きくする など)をおこなうしくみがあります。どんな配慮が受けられるか、いつまでに申し出るかは、地域や学校によってちがいます。
- 申し出は、通常は中学校を通しておこないます。早めに担任の先生に相談しましょう。
- ふだんの授業で使っている工夫が、入試の配慮を考える手がかりになります。
- 配慮を申し出ることは、特別なことではありません。気になることは、遠慮なく先生にたずねてください。
調べ方:都道府県の教育委員会のホームページ(入学者選抜の要項)/中学校の先生
第一希望がかなわなかったとき
入試の結果、第一希望の学校に進めないこともあります。そのときにあわてないよう、早めに先生と、もう一つ・二つの道を話し合っておくと安心です。
- 公立高校の2回目の募集、私立高校、定時制・通信制の高校など、出願の時期がちがう学校があります。
- ある学校の結果によって、ほかの学校に出願できるかどうかが変わる場合があります。地域のしくみを、先生に確かめておきましょう。
- 二つの入試を受けるときは、それぞれの準備(面接・作文・学力検査など)の計画も一緒に考えます。
調べ方:中学校の先生/都道府県の教育委員会のホームページ(入学者選抜の日程)
お子さんが自分を知ること
進学したあと、困ったときに「助けてください」と言えること、自分の得意・苦手を自分の言葉で伝えられることが、新しい学校で過ごす支えになります。これは中学校の間に完成するものではなく、進学してからも少しずつ育っていきます。
- 好きなこと・夢中になれることを、一緒に話題にしてみましょう。
- うまくいったとき「何が助けになった?」と聞いてみると、お子さん自身が手立てに気づくきっかけになります。
- 学校でも、自分のことを考える学習をしています。家庭で気づいたことを先生に伝えてもらえると、学校での学習に生かせます。
3年間の流れ(めやす)
時期や手続きは、地域や学校によってちがいます。住んでいる地域の日程は、「わが家の進路ノート」の「地域の入試のしくみ」に書きこみましょう。
- 小学校の高学年〜中学校入学
中学校の学びの場(特別支援学級・通級・通常の学級)のちがいを知る。中学校卒業後の進路にどんな種類があるかを、少しずつ知っておく。 - 中学1年
高校などにどんな学校があるかを調べ始める。成績(評定)がどのようにつけられ、入試でどう使われるかを、先生にたずねておく。 - 中学2年
学校説明会や見学に行き始める。お子さんと一緒に「どんな学校で過ごしたいか」を話題にする。 - 中学3年の春〜夏
先生との面談で、希望や気になることを伝える。体験入学・オープンスクールに参加し、行ったあとにお子さんと振り返る(よかったこと・気になったこと・通学のしかた)。 - 中学3年の秋
志望校をしぼる。入試での配慮や、出願の前の相談・手続きを先生と確かめる。第一希望がかなわなかったときの道も話し合っておく。 - 中学3年の冬
出願・入試。面接や当日の移動の練習をしておく。 - 合格したあと〜入学まで
中学校から高校などへの引き継ぎについて、先生とご家庭で確かめる。入学後に困ったときの相談先を、お子さんと確かめておく。
わが家の進路ノート
調べたこと、見学したこと、先生と話したことを書きこんでいきます。全部を埋めなくてかまいません。書いたら、画面の下の「ファイルに保存」を押してください(この端末には残りません)。
印刷
- 書いた内容を印刷:進路ノートに書いた内容を、A4の用紙に印刷します。面談に持っていくときなどに。
- 白紙のワークシートを印刷:何も書いていないワークシートを印刷します。紙に手で書きこみたいときに。
「PDFに保存」を選べば、紙に出さずにファイルにすることもできます(印刷の画面で選びます)。
先生用:このツールについて
ねらい
保護者が、進路の選択肢と3年間の流れを早めに知り、住んでいる地域の情報を自分で(または先生と一緒に)調べて書きこみながら、家庭と学校で一緒に進路を考えられるようにします。
使い方の例
- 中1・中2の面談で:「読む」と「3年間の流れ」を一緒に見て、評定の付け方や、見学に行き始める時期を伝える。
- 見学のあとに:「見学した学校」を、保護者とお子さんで振り返って書いてもらう。
- 中3の面談で:「先生と話したこと」に、決めたこと・次にやることを一緒に書き、保護者にファイルに保存してもらう(または印刷して渡す)。
- 紙のほうが使いやすいご家庭には:白紙のワークシートを印刷して渡す。
気をつけたいこと
- 特定の学校をすすめる道具ではありません。判断の材料を整理し、決めるのはお子さんとご家庭であることを大切にします。
- 地域の入試のしくみ・出願の条件・入試での配慮の手続きは、地域によってちがいます。保護者が調べて書いた内容に誤りがないか、面談で一緒に確かめてください。
- 家庭に負担を求める調子にならないようにします。書きこみは全部でなくてかまいません。
- 書いた内容は端末に残りません。保存したファイルは保護者が保管します。学校の端末で書いたときは、保護者にファイルを渡し、学校の端末からは消してください。
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