第一希望がかなわなかったときの道を、早めに整理しておくシートです
入試の結果が出てから次の道を考えはじめると、出願の期限までの時間が短く、本人も保護者も落ち着いて考えにくくなります。第1希望を大切にしながら、その結果が出る時期と、そのあとに選べる道を、生徒ごとに前もって整理しておきます。
- 考え方:整理の手順と、二つの入試の準備を並行するときの考え方。
- 地域のしくみ:地域によってちがう制度を、教育委員会の要項で確かめるためのチェック。学級で一つ書けば、生徒全員のシートに使えます。
- 生徒ごとのシート:第1希望 → 結果が出る時期 → 第2・第3の道と、準備の計画。生徒は記号を選びます(名前やイニシャルは使いません)。
- 話すときの言葉:本人・保護者と話すときの言葉の例(不安をあおらない言い方)。
2回目の募集があるか、ある学校の結果によってほかの学校に出願できるかどうか、などの制度は、地域によって大きくちがいます。このシートでは言い切らず、「地域のしくみ」で要項を確かめる形にしています。
書いた内容は、この端末には残りません。続きを書くときは、画面の下の「ファイルに保存」で保存し、次に使うときに「ファイルを開く」で読みこんでください。どこにも送信されません。生徒の名前・イニシャルは書かず、記号だけにしてください(記号と生徒の対応は、このファイルとは別のところで管理します)。
整理の手順
- 第1希望の日程を確かめる
出願の時期、試験の日、結果が出る時期。 - 結果のあとに選べる道を、時期の順にならべる
公立高校の2回目の募集、私立高校、定時制・通信制の高校、高等支援学校・特別支援学校の高等部、高等専修学校など。どれが選べるか、いつ出願できるかは地域・学校によってちがうので、「地域のしくみ」で確かめます。 - それぞれの道の条件と準備を書く
出願の条件(第1希望の結果との関係など)、試験の内容、書類、費用、通学のしかた。 - 二つ以上の入試の準備を、並行する計画を立てる
面接・作文・学力検査・実技など、どの入試に何が要るかを表にして、練習の時期を決めます。 - 本人・保護者と話す
第1希望を大切にする気持ちを受けとめながら、「もしものとき」の道も一緒に確かめておきます。結果が出たときに、誰が・どう伝え、次に何をするかも決めておきます。
二つの入試の準備を並行するとき
- 入試ごとに、試験の内容(面接・作文・学力検査・実技など)や、出願の書類がちがうことがあります。重なるところ(面接での自己紹介、志望の理由など)から準備すると、負担が少なくなります。
- 特別支援学級の中に、ちがう入試をめざす生徒がいるときは、担任ひとりで抱えこまず、学年や進路の担当の先生と練習の役割を分けられるとよいでしょう。
- 第2・第3の道の学校も、できれば見学や説明会で見ておくと、結果が出たあとに本人が気持ちを切りかえやすくなります。通学のしかたも確かめておきます。
- 入試での配慮を申し出ているときは、2回目以降の入試でも改めて申し出が要るかどうかを確かめます。
道筋を整理するのは、第1希望をあきらめるためではありません。どの結果になっても、本人が次の一歩をふみ出せるようにするためです。進学先を決めるのは、本人と保護者です。
地域のしくみ(教育委員会の要項で確かめる)
次のことは、都道府県や学校によってちがいます。その年度の入学者選抜の要項で確かめ、確かめたものにチェックをつけて、内容と確かめた先を書いておきましょう。学級で一つ書けば、生徒ごとのシートを書くときの手元の資料になります。
確かめる先の例:都道府県の教育委員会のホームページ(入学者選抜の要項・日程)/各学校の募集要項・説明会/私立学校の団体の案内/進路の担当の先生
生徒ごとのシート
生徒は記号を選びます(名前やイニシャルは使いません)。
本人と話すときの言葉の例
こんな言い方で
- 「第1希望に向けて、これからも一緒に準備しよう。そのうえで、もう一つの道も準備しておくと、安心して本番にのぞめるよ。」
- 「どの学校にも、あなたのよさを生かせるところがあるよ。見学したとき、どんなところがよかった?」
- 「結果が出たら、その日のうちに一緒に次のことを考えるよ。ひとりで悩まなくていいからね。」
- 「面接で話す自己紹介は、どの学校を受けるときにも使えるよ。まずそこから練習しよう。」
避けたい言い方
- 「落ちたら、〜しかないよ」(残りの道を「仕方なく行くところ」に見せてしまう)
- 「たぶん無理だと思う」「受かるかどうかわからないから」(不安を大きくする)
- 「とりあえず〜を受けておけばいい」(本人が選んだ道として受けとめにくくなる)
- 学校どうしを比べて、どちらかを下げる言い方
保護者と話すときの言葉の例
こんな言い方で
- 「第1希望を大切にしながら、もしものときの道も早めに整理しておくと、結果が出たあとにあわてずにすみます。」
- 「これは、合格の見込みが低いという意味ではありません。出願の期限が短い道もあるので、前もって確かめておきたいのです。」
- 「地域のしくみで、まだはっきりしないところがあります。要項で確かめて、次の面談でお伝えします。」
- 「どの道を選ぶかは、ご本人とご家庭で決めていただくことです。判断の材料を一緒にそろえていきましょう。」
避けたい言い方
- 確かめていない制度を、言い切ること(「2回目の募集があるので大丈夫です」など)
- 特定の学校を「ここがいい」とすすめること
- 家庭に調べることを任せきりにすること
結果が出たとき
- まず、本人の気持ちを受けとめます。がんばってきたことを、具体的に言葉にして伝えます。
- 次の道の日程(出願の期限・試験の日)を、本人・保護者と一緒にすぐ確かめます。シートに書いた「結果が出たあとに最初にすること」を見ながら進めます。
- 前の入試のふりかえり(できたこと・次に変えること)は、気持ちが少し落ち着いてから、短く。
印刷
- 書いた内容を印刷:「地域のしくみ」と、書いてある生徒ごとのシート(1人ずつ別のページ)を印刷します。
- いまの生徒だけ印刷:「生徒ごとのシート」でえらんでいる生徒の分だけを印刷します。面談に持っていくときに。
- 白紙のシートを印刷:何も書いていない「地域のしくみ」と生徒ひとり分のシートを印刷します。紙に手で書きこみたいときに。
「PDFに保存」を選べば、紙に出さずにファイルにすることもできます(印刷の画面で選びます)。印刷したシートは、個人の情報として学校のきまりにそって保管してください。
先生用:このツールについて
ねらい
第1希望の入試の結果によって、そのあとに選べる道や出願の時期が変わることがあります。制度の細部は地域ごとにちがい、経験の少ない先生には見通しを持ちにくいところです。地域のしくみを要項で確かめながら、生徒ごとに第2・第3の道と準備の計画を早めに整理できるようにします。
使い方の例
- 中3の9月〜10月ごろ:志望校をしぼる面談の前に、「地域のしくみ」を要項で確かめて書いておく。
- 志望校の相談の面談で:生徒ごとのシートを、本人・保護者と一緒に見ながら書く。「話すときの言葉」を参考に。
- 出願の前に:「二つの入試の準備」の表で、面接・作文などの練習の時期を決める。入試準備の細かなことは「T10 入試準備チェック」へ。
- 結果が出た日に:シートの「結果が出たあとに最初にすること」を見て、次の日程を確かめる。
気をつけたいこと
- 地域によっては、定員を超える出願があり、高等支援学校・特別支援学校の高等部などでも選考の結果が分かれることがあります。どの道でも、結果の見通しを言い切らないようにします。
- 不安をあおらないようにします。整理は「もしものため」であって、第1希望をあきらめるよう求めるためではありません。
- 特定の学校をすすめる道具ではありません。決めるのは本人と保護者です。
- 生徒は記号を選びます(名前やイニシャルは使いません)。記号と生徒の対応は、このファイルとは別のところで管理してください。
- 書いた内容は端末に残りません。保存したファイルと印刷したシートは、個人の情報として学校のきまりにそって扱ってください。
ご意見・使ってみた感想は、わくわくのお問い合わせからお寄せください。